山形新聞補完

 

安倍首相消費増税再延期表明・記者会見詳報

2016年06月01日
 安倍晋三首相の記者会見詳報は次の通り。

 【消費税増税再延期】

 世界経済はこの1年余りの間に、想像を超えるスピードで変化し、不透明感を増している。最大の懸案は、中国など新興国経済に陰りが見えることだ。リーマン・ショック時に匹敵するレベルで、原油などの商品価格が下落し、さらに投資が落ち込み、新興国や途上国の経済が大きく傷ついている。世界的な需要の低迷、成長の減速が懸念される。世界の経済の専門家がいま、警鐘を鳴らしているのはまさにこの点だ。世界経済が直面するリスクについて伊勢志摩サミットで話し合った結果、新たに危機に陥ることを回避するため、適宜に全ての政策対応を行うことで合意し、首脳宣言に明記された。世界経済のリスクを正しく認識し危機を回避するため、しっかりと手を打つべきだ。先進7カ国による合意の下、あらゆる政策を総動員する。内需を腰折れさせかねない消費税率の引き上げは延期すべきだと判断した。2017年4月に予定していた消費税率10%への引き上げを19年10月に2年半延期する。その際に軽減税率を導入する。できる限り長く延期することも考えたが、財政再建の旗を降ろすつもりもない。最適のタイミングが19年10月だ。私の自民党総裁としての任期は18年9月だが、総裁任期によって判断をゆがめてはならない。私は14年11月に再延期はしないと断言した。リーマン・ショック級や大震災級の事態が発生しない限り、予定通り引き上げると約束した。現時点でリーマン・ショック級の事態は発生していないのは事実だ。熊本地震を大震災級として再延期の理由にするつもりもない。そうした政治利用は被災者に大変失礼だ。今回の再延期の判断は、これまでの約束とは異なる新しい判断だ。公約違反との批判も真摯(しんし)に受け止める。今秋に臨時国会を召集し、消費税増税法改正案を提出する。

 【衆参同日選見送り】

 消費税増税再延期に関し参院選で国民の信を問いたい。衆参同日選は見送る。野党から内閣不信任決議案が提出され、衆院解散が頭の中によぎったのは否定しない。しかし、熊本地震の被災地ではいまだ避難生活を強いられていることを考慮し、参院選で国民の信を問いたいと判断した。

 【参院選】

 参院選の投票日は7月10日、公示日は沖縄戦の戦没者を追悼する「慰霊の日」に配慮して6月22日とする。6月2日に閣議決定する。安倍政権の経済政策「アベノミクス」を加速させるか、後戻りさせるかが参院選の最大の争点だ。与党で改選議席の過半数の獲得を目指す。これは改選前の現有議席を上回る高い目標だ。野党は政策の違いを棚上げして選挙目当てで候補の一本化を進めている。厳しい選挙戦になるのは覚悟している。国民の信任を得た上で、アベノミクスを一層加速させる。9年前、私は首相として参院選で大敗を喫し、首相の職を辞することになった。あの挫折は今も私の胸に深く刻み込まれている。困難な政策ほど、国民的な理解を得て進めるしかない。これがあの時の反省だ。デフレからの脱却速度をさらに上げなければならない。そのために国民の支持をお願いしたい。参院で憲法改正発議に必要な3分の2を確保することは、そう簡単なことではない。自民、公明両党で衆参両院の3分の2を占めることは不可能だ。国会で議論を進める中で、初めて可能性が見えてくる。自民党は憲法改正草案を示しているが「賛成する人は誰か」と募っているわけではない。いわば決意として申し上げている。

 【財政健全化】

 消費税増税を再延期しても、20年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する財政健全化目標を堅持する。社会保障政策については、給付と負担のバランスを考えれば、税率を10%に引き上げた場合と同じことを全てできない。赤字国債を財源に社会保障費を全て賄うことは無責任だ。しかし、子育て世帯を支援する決意は揺るがない。保育の受け皿50万人分の確保も約束通り実施する。介護離職ゼロに向けた受け皿50万人分の整備もスケジュール通り進める。「1億総活躍プラン」に関する施策については、アベノミクスの果実の活用も含め、財源を確保して優先して実践していく。

 【経済対策】

 世界経済が大きなリスクに直面している。熊本地震では観光業や農業、製造業など九州の広い範囲で経済や暮らしが打撃を受けている。これらが日本経済の新たな下振れリスクになっている。最悪の場合、再びデフレの長いトンネルに逆戻りするリスクがある。今こそアベノミクスのエンジンを最大限に吹かし、こうしたリスクを振り払う。デフレからの脱出速度を最大限まで上げなければならない。アベノミクス三本の矢をもう一度力いっぱい放つため、総合的かつ大胆な経済対策を今秋に講じる。最も重要なことは、構造改革を断行し、将来の成長を生み出す民間投資を喚起することだ。環太平洋連携協定(TPP)の早期発効を目指す。日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)など、自由で公正な経済圏を拡大することで、新しい投資機会をつくり出す。リニア中央新幹線の計画前倒し、整備新幹線の建設加速によって、全国を一つの経済圏に統合する「地方創生回廊」をできるだけ早くつくり上げる。長時間労働の慣行を断ち切る。雇用形態に関わらない均等待遇を確保する。同一労働同一賃金を実現する。全体の所得の底上げを図り、内需をしっかりと拡大していく。世界的な需要を強化するため、人工知能、ロボットなど世界に先駆けた技術革新を日本から興す。しっかりと内需を支える経済対策を行う考えだ。
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