山形新聞補完

 

トランプ氏の演説全文

2017年3月1日
 トランプ米大統領が2月28日に行った施政方針演説の全文は次の通り。

▽米国の再生
 ありがとう、議長、副大統領、議員の方々、ファーストレディー、米国市民の皆さん。今晩、「黒人歴史月間」(注・黒人の歴史を学び直す月。米国では2月に指定)のお祝いが終わるとき、われわれはわが国が公民権に向けてたどった道のりと、やり残している仕事に思いをはせる。

 ユダヤ人コミュニティーセンターを狙った最近の脅迫やユダヤ人墓地での破壊行為が、カンザスシティーで先週起きた銃撃と同様、われわれに気付かせてくれるのは、わが国は政策を巡って分断されているかもしれないが、あらゆる醜い憎しみや悪を批判するため団結して立ち上がる国だということだ。

 米国の各世代は途切れることなく現在まで、真実、自由、正義のたいまつを受け継いできた。たいまつは今、われわれの手にある。そして世界を照らすために、これを使う。

 私は今夜、団結と強さのメッセージを伝えるために、ここにいる。私の心から強く届けるメッセージだ。米国の偉大さの新たな章が今始まっている。国民の新たな誇りがわが国に広がっている。楽観主義の新たなうねりによって、われわれは不可能だった夢をしっかりつかもうとしている。われわれが今見ているのは米国精神の再生だ。同盟国は米国が再び主導する準備ができていることに気付くだろう。

▽建国250年
 世界の全ての国々は味方も敵も、米国が強くて誇り高く、自由であることに気付くだろう。9年後、米国は建国250周年のお祝いをする。独立宣言の日から250年で、世界史の中で偉大な節目の一つとなる。

 だが建国250年を迎えたとき、米国はどうなっているだろうか。どんな国を子どもに残せるだろうか。過去数十年の失敗によって、われわれの未来の針路を決めさせるようなことを私はさせない。

 あまりにも長い間、職と富を外国に輸出し、わが国の中間層が縮小していくのを見てきた。資金を出して世界的な事業を次々と立ち上げてきたが、シカゴやボルティモア、デトロイト、非常に多くの場所の(スラム化した)中心市街地の子どもの破滅については無視してきた。

 われわれは他の国々の国境を守ってきたが、自らの国境はがら空きで、誰でも越えられ、麻薬が前例のない規模で入ってきている。海外で何兆ドルも使う間に、故郷のインフラはひどい状態になった。

▽湧き上がる声
 そして2016年、大地が足元で動いた。反乱が静かな抗議として始まり、あらゆる人種や宗教の家族によって語られだした。彼らはただ子どもに公平に成功する機会を与えてほしいと思い、懸念に公平に耳を貸してほしいだけだった。

 だが、それから静かな声は大きなコーラスになり、全土の大小の街で多数の市民らが一緒になって遠慮なく声を上げ始めた。

 湧き上がった声は、ついには大地を震わせ、そして数千万もの人々が集まり、そして米国は米国民を第一としなければならないという非常に簡潔だが極めて重大な要求にまとめ上げられた。そうすることで初めて本当に米国を再び偉大にすることができるからだ。

 死にかけていた産業が、うなりを上げて活気を取り戻すだろう。勇敢に戦った退役軍人たちは、切望するケアを受けられるようになる。われわれの軍には、勇敢な戦士たちにふさわしい財源を割り当てる。

 インフラは崩れかけているが、新しい道や橋、トンネル、空港と鉄道でわれわれの非常に、非常に美しい国土が輝くことになる。深刻な麻薬のまん延を抑制し、ひいては終わらせる。顧みられることのなかった(スラム化した)都市の中心市街地には再生の希望がともり、治安とチャンスが戻るだろう。

▽国民への約束
 われわれは米国民への約束を何があっても守る。

 ありがとう。私はこれらの約束を守ってきたが、就任から1カ月少しがたったところで、これまでの進展を確かめてみたい。私の当選以来、フォード・モーター、フィアット・クライスラー・オートモービルズ、ゼネラル・モーターズ、ソフトバンクグループや傘下のスプリント、ロッキード・マーチン、インテル、ウォルマート・ストアーズや他の多くの企業が米国内での数十億ドル、幾十億ドルもの投資や数万人もの雇用創出を表明している。

 昨年11月8日の大統領選以降、株式市場は時価総額で約3兆ドル膨らみ、最高値を記録した。非常に優れた、本当に素晴らしい新鋭のF35戦闘機の価格を下げることで、何億ドルもの税金を節約した。政府の契約を隅々まで見直して、さらに数十億ドルを節約するつもりだ。

 連邦政府の文民職員は、必要不可欠な職員を除き新規雇用を凍結した。

 政府行政の汚職の沼地を干上がらせるため、当局に勤めた者らによるロビー活動を行うことを5年間禁じた。そして終身禁止…。

 ありがとう。ありがとう。そして、外国政府のためにロビー活動を行うことの終身禁止。雇用をつぶすことになる規制に大なたを振るって削減するため、政府全省庁にタスクフォース(作業部会)を発足させた。われわれは歴史的な取り組みを進めている。

 そして、新たな規制を一つつくる場合、以前の規制を二つ撤廃しなければいけないという新たなルールを設けた。

 偉大な炭鉱労働者たちの将来や生活を脅かす規制に終止符を打つ。

▽壁の建設
 われわれは、キーストーンXLパイプラインやダコタ・アクセス・パイプライン建設に道を開いた。

 これによって数万の雇用が生まれる。そして私は、米国のパイプラインは米国製の鉄を使って造るとする新たな指示を出した。

 雇用を奪う環太平洋連携協定(TPP)からも離脱した。

 カナダのジャスティン・トルドー首相の助力を得て、女性起業家を対象にした協議会を設立した。ここでは事業を始め、夢をかなえるために必要なネットワークやマーケット、資本へのアクセスを後押しする。

 市民を守るため、凶悪犯罪を減らすための作業部会を設置するよう司法省に指示した。さらに国土安全保障省と司法省が国務省や情報機関と共に、全米に広がる犯罪カルテルの壊滅に向けた積極的な戦略をまとめるよう命じた。

 わが国に侵入し若者を毒す薬物を阻止し、極度の依存症患者の治療を拡大させる。

 この政権は同時に、移民対策と国境警備を求める国民の願いに応えた。

 最終的には移民関連法を強化することで、賃金を上げ、失業者を支援し、何十億ドルもの支出を削減し、誰にでもより安全な地域社会をつくる。

 われわれは全ての米国人の成功を望んでいる。しかし、法もない混沌(こんとん)とした状況では実現できない。

 われわれは国境を完全な状態に戻し、法の支配を回復させなければならない。

 こうした理由から、われわれは南部の国境地帯に、巨大な、巨大な壁の建設をすぐに始める。

▽テロ対策
 今夜話しているように、われわれの地域社会を脅かし、全く罪のないわが市民を餌食にするギャングや麻薬密売人、犯罪者を追い出す。私がいま演説し、また選挙戦で約束した通り、悪いやつらは出て行くことになる。法律を強化すべきだということを信じない議員に対して私は次のことを尋ねたい。米国が法を維持し国境を守ることを拒否したため、職を失って収入を無くしたり、最愛の人を亡くしたりする米国の家族に何と声を掛けるつもりなのか、と。

 われわれの義務は米国市民に奉仕し、保護し守ることだ。過激なイスラムのテロから国を守るために強い措置も講じる。

 司法省のデータによると、米中枢同時テロ以降、テロやテロ関連の犯罪に関わった者の大多数は外国から来た。ボストンからサンバーナディーノ、国防総省、世界貿易センターでさえ、われわれは故郷で攻撃されるのを目撃してきた。フランス、ベルギー、ドイツ、そして世界中が攻撃されるのを目撃してきた。適切な審査ができない場所からの入国を野放しに許可することは、思いやりではなく無謀である。

 米国に入国する栄誉を受けた人たちは、米国を支持し、米国民とその価値観を愛する者でなくてはならない。われわれは、米国内にテロの足掛かりが構築されるのを許してはならない。国が過激派の温床になるのを許してはならない。

 だからこそ、私の政権は入国審査手続きの改善に努めてきた。われわれは間もなく、国家の安全を保ち、危害を及ぼす者を締め出すために新たな手段を取ることになる。

 私は約束通り、過激派組織「イスラム国」(IS)を粉砕し、壊滅する計画を練り上げるよう国防総省に指示した。ISは無法で野蛮なネットワークで、イスラム教徒、キリスト教徒、どんな信仰を持つ男性、女性、子どもでも殺りくしてきた。われわれは、この地球から下劣な敵を消し去るため、同盟国と連携していく。これにはイスラム世界の友人や同盟国も含まれる。

 イランの弾道ミサイル計画を支援する組織や個人に対して新たな制裁を科した。そして、壊れることのないイスラエルとの同盟関係を再び確認した。

▽最高裁判事
 そして、私は約束通り、選定した20人の判事の中から米連邦最高裁の判事を指名した。憲法を堅持する人物だ。

 本日、大変名誉なことに、聴衆の中にモーリン・スカリアがいる。

 ありがとう、モーリン。亡くなった彼女の素晴らしい夫である(連邦最高裁判事だった)アントニン・スカリアは、永遠に米国の正義を象徴する存在になるだろう。

 その後任として、われわれはニール・ゴーサッチ判事を選んだ。素晴らしい技能の持ち主で、法律のために尽くしている。高裁判事に満場一致で承認された人物だ。上院が迅速に彼の指名を承認することを望む。

▽経済課題
 今夜、米国が実施すべき次の方策を示すに当たり、われわれはまず受け継いだ現状を率直に認識しなければならない。9400万人の米国人が失業している。4300万人以上が貧困の中で暮らしている。そして、4300万人以上が食料配給券を受け取っている。

 5人に1人以上が働ける年齢であるのに、働いていない。財政再建の状況は、ここ65年で最悪の水準だ。過去8年間で、前政権は新たな借金をつくった。これは歴代のほかの大統領が積み重ねた借金全額を上回る。

 北米自由貿易協定(NAFTA)の承認以降、米製造業の雇用は4分の1以上が失われた。2001年に中国が世界貿易機関(WTO)に加盟して以来、6万の工場が閉鎖された。他国との物品貿易における赤字は昨年、8千億ドル近くに上った。海外に目を向ければ、外交政策の悲惨な失敗を引き継いだ。

 こうした問題や、ほかの多くの緊急課題を解決するには、党派の違いを乗り越えて働かなくてはならない。語り継がれてきた長い歴史を通じ、どんな課題をも克服してきた米国精神を発揮することが求められている。だが、国内外で目標を達成するには、米経済のエンジンを再始動させなければならない。企業が米国内で事業をしやすくなり、海外移転するのをさらに難しくする。

▽税制改革
 今や米国は世界で最も高い税率を企業に課す国の一つだ。私の政権の経済チームは歴史的な税制改革を進めている。米企業があらゆる場所であらゆる相手と競争し、成長できるよう法人税を減税するためだ。

 それは、とてもとても大きな減税となる。

 同時に、われわれは中間層に対し大規模な税負担の軽減を行う。われわれは米国の企業と労働者に公平な条件を与えなければならない。そうしなければならないのだ。

 現在われわれが米国から製品を輸出する際、他の多くの国はわれわれに極めて高い関税や税金を払わせている。しかし、外国の企業が製品を米国に輸出する際、われわれは課税しておらず、したとしてもごくわずかだ。

▽公正な貿易
 私は最近、偉大な米企業、ハーレーダビッドソンの幹部や従業員と面会した。それだけでなく彼らはホワイトハウス前の芝生に、米国産の豪華なオートバイ5台を誇らしげに展示した。

 そのうちの1台に乗ってほしいと彼らに頼まれたのだが、私は「いや、結構だ」と言ったんだ。

 幹部らとの会合で、私は「調子はどうか」「景気はどうかね」と質問した。彼らは「良い」と答えた。私はさらに質問した。「他の国との関係、とりわけ海外での売り上げの調子はどうか」と。

 彼らは「他の国で商売をするのはとても難しい。われわれの製品には、とんでもなく高い税率が課されている。ある国の事例では、オートバイに100%の税金が課されている」と答えた。愚痴の一つも言わずに。なぜなら、彼らは長い間(海外で)あまりにもひどい扱いを受けてきたから、それに慣れてしまったんだ。

 彼らは変化を求めることすらしなかった。だが私は信じる。私は自由貿易を強く信奉している。しかし同時に、それは公正な貿易でなければならない。われわれに公正な貿易があった時代から、長い年月がたっている。

 共和党初の大統領、エーブラハム・リンカーンは、米政府が保護政策を放棄すれば、国民の困窮や没落をもたらすと警告した。

 リンカーンは正しかった。今こそリンカーンの忠告と言葉をわれわれは心に留める時だ。

 私は、米国とその偉大な企業がこれ以上つけ込まれることを座視しない。他国が米国を出し抜くことはもうなくなる。

▽移民制度改革
 私は、数百万もの職を取り戻す。労働者の保護は合法的な移民制度の改革を必要とする。

 時代遅れの現行制度は、最も貧しい労働者の賃金を押し下げ、納税者に大きな負担をもたらしている。カナダやオーストラリアといった世界中の多くの国は技能に基づく移民制度を取り入れている。

 入国しようとする人は金銭的に自立していることが基本原則だ。だが米国ではこうしたルールが守られず、最も貧しい国民が頼るべきはずの公的資金が損なわれている。

 米国科学アカデミーによると、現在の移民制度で納税者は毎年数十億ドルの費用を負担している。技能の低い移民を受け入れている現行制度から、技能に基づく制度に切り替えることは、多くの恩恵をもたらす。数え切れないほどのお金が節約でき、労働者の賃金が上がり、移民家族を含む懸命に生きる人々を中間層に仲間入りする手助けをしてくれる。すぐにそうなるし、とてもとても幸せになれるのだ。

 現実的で前向きな移民制度改革は可能だ。それには次の目標に焦点を当てる必要がある。米国民のために雇用と賃金を改善し、米国の治安を向上させ、順法精神を取り戻すことだ。

 米国市民の幸福に導かれていく限り、共和党と民主党が力を合わせれば、米国が数十年もの間、成し遂げることができなかった成果を上げることは可能だ。

▽インフラ整備
 共和党の大統領だったドワイト・アイゼンハワーは真に偉大な国家インフラ計画を手掛けた。州間高速道路網の建設だ。新たな国家再建計画に着手する時期に来ている。

 米国は中東地域に約6兆ドルを費やしてきた。その一方で米国内のインフラは老朽化している。

 6兆ドルあれば、米国を2回再建することができたかもしれない。交渉力がある人がいれば、米国を3回再建することもできたかもしれない。

 新たな国家再建計画に乗り出すため、国内インフラ整備に官民の資金1兆ドルを投資し、数百万人の雇用を生み出す法律づくりを議会に求める。

 この取り組みでは、二つの中核的な原則に従うこととする。米製品を買い、米国民を雇用するという原則だ。

▽オバマケア撤廃
 今夜、私はまた、医療保険制度改革(オバマケア)を撤廃し、別の制度を導入することを議会に求める。つまり、選択肢を増やし、安くて利用しやすい制度に改革し、より良い医療を提供するということだ。

 全ての米国人に政府が承認した医療保険を強制することは、わが国においては正しい解決法ではなかった。

 全ての人が医療保険を利用できるようにするには保険料を下げることだ。われわれはそれをやっていく。

 オバマケアは全米で保険料を2桁、3桁も上昇させた。例えばアリゾナ州は昨年だけで116%も高騰した。ケンタッキー州のマット・ベビン知事は、オバマケアはうまくいっていないと話した。ケンタッキー州では持続不可能だし破綻しつつあると。

 3分の1の郡では選ぶべき保険が一つしかなく、急減している。多くの米国人には選択肢が全くない。選択肢は一切残っていないのだ。

 思い出してほしい。かつては同じ医者にかかり、自分の保険プランを維持できると言われたことを。しかし約束は完全に破られた。オバマケアは破綻しつつある。われわれは強い意志を持ち全米国人を守るために行動を起こさなくてはならない。

 行動を起こすことはもはや選択肢の一つではない。必要なのだ。米国人をオバマケアの惨事から守るため、全ての民主党議員と共和党議員に協力を要請する。

▽優れた医療保険を
 全米国人のためのより優れた医療保険制度をつくるに当たり、議会はいくつかの原則を守る必要がある。

 第一に、既往症のある人が保険に加入したり、既に保険に入っている人が円滑に次の保険に移行したりすることができるようにすべきだ。

 第二に、税制優遇や医療保険基金の拡大により、米国人が自分の保険に入れるようにすべきだ。ただし本人が望むプランであるべきで、政府が押しつけるものであってはならない。

 第三に、州知事たちに十分な財源と柔軟性を与え、(低所得者向け医療保険制度の)メディケイドと合わせ、誰かが取り残されることがないようにしなくてはならない。

 第四に、われわれは法改革を通じ、保険料をつり上げる不要なコストから患者と医師の双方を守らなければならない。人為的につり上げられた高額な薬価を直ちに引き下げるべきだ。

 米国人が医療保険に自由に加入できるようにすべき時が来た。別の州の保険にも加入できるようにすることで、全米で真の競争原理が働くことになる。コストは大きく下がり、より良い保険を提供できるようになる。とても重要なことだ。

▽子どもの未来
 この国の壊れた部分は全て修復できる。全ての問題は解決できる。全ての傷ついた家族は癒やしと希望を見いだせる。この国の人々はそれだけでなく、もっと多くに値するのだ。力を合わせてやり遂げようではないか。

 さまざまな問題を解決するため民主、共和両党は手を取り合って、国の利益、国民の幸福のために連帯すべきだ。

 私の政権は育児支援をより身近にするため、両党の議員らと協力したい。新しく親になる人たちが有給の育児休暇を取れるように。女性の健康に投資したり、空気や水の浄化を進めたり、軍やインフラを立て直したりするためにも協力したい。

 本当に国民を愛するなら、共通の基盤を見いだし、共通の利益を推し進め、もっと明るい未来を享受すべき全ての米国の子どものために協力するべきだ。

 今日ここに、われわれ全員に刺激を与えてくれる、素晴らしい若い女性がいる。今日は「世界希少・難治性疾患の日」で、ミーガン・クローリーはまれな病気を克服した。

 ミーガンは生後15カ月の時、まれで深刻なポンペ病と診断された。5歳を超えて生きられないだろうと思われていた。それを知った父親のジョンは、大切な子の命を救うため全てを懸けて闘った。治療法を探す会社を立ち上げて、ミーガンの命を救った薬の開発を手助けしたのだ。今、ミーガンは20歳で、ノートルダム大学の2年生になった。

▽規制撤廃
 これは娘を愛する父親が持つ無限の力の物語だ。しかし、食品医薬品局(FDA)の承認プロセスが遅くて厄介なため、ミーガンの命を救ったような多くの進歩が必要としている人々に届くのが遅れている。

 FDAに限らず、政府全体でこうした規制を撤廃すれば、ミーガンのような奇跡にもっと恵まれるだろう。それどころか、われわれの子どもは奇跡の国で育つことになるだろう。

 こうした未来を達成するためには、子どもの心と魂を豊かにしなければいけない。教育は現代における公民権の問題だ。数百万人ものアフリカ系や中南米系を含め、恵まれない若者が学校を選択できるような教育予算の通過を民主、共和両党に求める。こうした家族が公立も私立も(特別認可校の)チャータースクールも(公立校の一種)マグネットスクールも宗教学校も、または家庭教育でも、ふさわしい教育を自由に選ぶことができるようにすべきだ。

 今夜ここに注目すべき女性がいる。デニーシャ・メリウェザーだ。デニーシャは学校で苦労し、第3学年で2度落第した。だが、税控除と奨学金制度のおかげで私立の学校に入ることができ、今や家族の中で高校だけでなく大学も卒業した最初の人となった。今年、彼女は社会福祉の修士号を手にする予定だ。われわれは全ての子どもがデニーシャのように貧困の連鎖を断ち切れることを望んでいる。

▽貧困と暴力の連鎖
 しかし、貧困の連鎖を断ち切るためには、暴力の連鎖も断ち切らなければならない。2015年の殺人事件の発生率は、この半世紀近くで最大の増加となった。シカゴでは昨年だけで4千人以上が撃たれ、今年のこれまでの殺人事件発生率は、一層高くなっている。われわれの社会において受け入れられないことだ。

 全ての米国人の子どもは安全なコミュニティーで育ち、優れた学校に通い、給与の高い仕事に就けるようにすべきだ。

 しかし、こうした未来を創るために、われわれは法執行機関の人々と対立するのではなく、共に取り組んでいかなければならない。

 われわれは全くの純然たる分断という不和のくさびを打ち込むのではなく、協力と信頼の橋を築かなければならない。われわれは団結しなければならない。警官と保安官はコミュニティーの一員だ。友人や隣人でもあり、母親、父親、息子、娘でもある。毎日、無事に元気に帰宅するかどうかを心配する愛すべき家族を自宅に残している。われわれは法執行機関に勤める素晴らしい人々を支援しなければならない。

 そして、われわれは犯罪被害者らを支援しなければならない。私は国土安全保障省に対し、米国人の犯罪被害者を支援する部署を設置するよう指示した。その部署は「移民犯罪被害者」を意味する(頭文字を取って)「ボイス」とする。

▽勇敢な米国人
 われわれはメディアに無視され、特定の利益を持つ組織に沈黙させられてきた人々に声を与える。今夜この聴衆の中には、政府に失望してきた非常に勇敢な米国人4人がいる。名前はジャミエル・ショー、スーザン・オリバー、ジェナ・オリバー、そしてジェシカ・デービスだ。ジャミエルの17歳の息子は、刑務所から出てきたばかりの不法移民のギャングのメンバーに、ひどい殺され方をした。ジャミエルの息子は限りない可能性を持った素晴らしい若者だった。大学に行くことが決まっていた。彼は大学で(アメリカンフットボールの)偉大なクオーターバックになっていただろう。

 しかし、その機会は決して与えられることはなかった。今夜、ここに来てくれた彼の父親は、私のとても良い友人となった。ジャミエル、ありがとう。ありがとう。

 またスーザン・オリバーとジェシカ・デービスもわれわれと一緒にいる。彼女たちの夫であるダニー・オリバー副保安官とマイケル・デービス捜査官は、カリフォルニア州で職務中に殺害された。彼らはコミュニティーの中心人物だった。この勇敢な男性らは、犯罪歴があり、2度の国外退去処分を受けていた不法移民により撃ち殺された。われわれの国に決して入国すべきではなかった者だ。

 スーザンと一緒に座っているのは娘のジェナ。ジェナ、あなたの父親は英雄であり、今夜、国全体があなたのために祈り、支え、あなたが国全体の愛を受けていることを知ってほしい。

 ジャミエル、ジェナ、スーザン、ジェシカ、われわれは正義のための戦いを決してやめないことを知ってほしい。あなた方の愛する者たちを決して忘れない。われわれは常に彼らの思い出をたたえ続けるだろう。

▽軍再建
 最後に、米国の安全を守るため、戦争を防ぐために、そして戦わなければならない時には戦って勝利するために、必要な装備を軍の男女に供与しなければならない。

 私は軍を再建するために、国防費の強制削減を廃し、国防費の歳出において米国の歴史上、最も大規模な増額を求める予算案を議会に送る。

 私の予算は退役軍人のための財源も増額する。退役軍人はこの国のために職務を遂行した。そして今度はわれわれが彼らのために職務を遂行しなければならない。

 米国が直面している課題は巨大だ。しかし米国民はより偉大だ。そして軍服を着て米国のために戦う者ほど勇敢で偉大な者たちはいない。

 今夜、キャリン・オーウェンズと一緒にいることは喜ばしい。彼女は夫の米海軍特殊部隊のウィリアム・ライアン・オーウェンズ氏を亡くした。ライアンは戦士として、英雄として、テロと戦い、国を守るために生き、そして亡くなった。

 マティス国防長官と話し再確認したことがある。マティス国防長官は「ライアンは非常に成功した作戦に加わっていた。その作戦では将来、敵からより多くの勝利を得られるだろう極めて重大な多くの情報を得ることができた」と話していた。

 ライアンの功績は永遠に刻まれた。ありがとう。

 そしてライアンは今まさに、われわれを見下ろしている。彼はとても幸せだ。なぜなら彼は(聴衆の拍手時間の)新記録をつくったのだから。

 聖書が教えてくれるように、友人のために命を犠牲にすることほど偉大な愛の行為はない。ライアンは友人や祖国、われわれの自由のために命をささげた。われわれは決してライアンを忘れない。

▽同盟国は負担を
 同盟国が米国はどんな友人になるのか知りたければ、こうした軍服の英雄たちを見てもらいたい。われわれの外交政策は、直接的かつ力強く有効な形で世界と関わることを求めている。米国のリーダーシップは、全世界の同盟国と共有する極めて重大な安全保障上の利益に基づいている。

 われわれは北大西洋条約機構(NATO)を強く支持する。二つの世界大戦を通じて生まれた絆によって構築された同盟だ。その絆はファシズムと冷戦を退け、共産主義を打ち負かした。

 しかし同盟国は財政的な義務を果たさなくてはならない。そして今、非常に力強く率直な議論に基づき、まさにそれが始まっているところだ。事実、資金が注がれつつあると言える。非常に素晴らしいことだ。

 NATO、中東、あるいは(日本など)太平洋地域であれ、われわれは同盟国に、戦略、軍事両面で直接的かつ有効な役割を果たし、公平に費用を負担するよう期待する。そうしなければならない。

 歴史ある機関を尊重するが、全ての国の権利も尊重する。各国も、米国の権利を尊重しなければならない。

 自由な国家というのは、国民の意思を示す上で最良の仕組みだ。米国は、全ての国が自国の針路を決める権利を尊重する。私の仕事は世界を代弁することではない。米国を代表することだ。

▽新たな友人
 紛争が少なく、これ以上なければ米国がより良い状態になるということは分かっている。われわれは過去の過ちから学ばなければならない。われわれは世界中を荒廃させ猛威を振るった戦争や破壊行為を見てきた。全世界でだ。

 こうした人道的な惨事の唯一の長期的な解決策は多くの場合、避難を余儀なくされた人々が安全に故郷に帰還することができ、再建に向けた長い、長い過程をスタートできる状況をつくることだ。

 米国は新たな友人を見つけ、利益を共有する新たな関係を築きたいと考えている。われわれが求めているのは調和や安定であり、戦争や紛争ではない。われわれは、平和が可能な局面においては常に平和を求める。米国は今ではかつての敵とも友人だ。最も親しい同盟国の中には、数十年前、恐ろしい、恐ろしい戦争で敵として戦った国もある。こうした歴史を見れば、より良い世界を実現できる可能性を信じることができる。

▽一つの運命
 できれば米国建国250年の年は、より平和で、公正で、自由な年でありたい。

 建国100年の1876年、全米各地から100年を祝うためフィラデルフィアにやってきた。祝賀の場で、米国の建築家や芸術家、発明家らが、自分たちの作品を披露した。アレクサンダー・グラハム・ベルは初めて電話を発表した。レミントンは初のタイプライターを発表した。電気照明の初期的な試みも行われた。トーマス・エジソンは自動電信機や、電気ペンを発表した。米国が建国250年に味わう奇跡を想像してほしい。

 国民の夢を解き放てば驚くようなことができる。それを考えてほしい。われわれを常に苦しめてきた病気を治療することも過大な希望ではない。遠く離れた世界に米国人の足跡を残すことは大きすぎる夢ではない。福祉に頼って生きる数百万もの人々が働くようになることは大きすぎる期待ではない。そして母親が不安を抱くことなく町中で安全に暮らし、子どもたちが学校で平和に学び、雇用が米国の繁栄と成長をもたらすということも大きすぎる要求ではない。

 これら全てのことが実現すれば、全ての米国人にとって、米国はかつてないほど偉大になるだろう。これがわれわれの構想だ。これがわれわれの任務だ。しかし、われわれは協力した時だけそこに到達できる。われわれは一つの運命を持った一つの国民だ。

 われわれは皆同じ血を流し、同じ偉大な米国旗に敬礼する。そしてわれわれは皆同じ神によってつくられている。

 この構想が実現した時、建国250年の輝かしい自由を祝う時、われわれは今晩のことを、米国の偉大さを示す新たな章が始まった時と振り返るだろう。ささいなことを考える時は終わった。ささいなことで争う時は終わった。われわれの心を満たす夢を共有する勇気、魂を揺さぶる希望を表現する勇敢さ、希望や夢を行動に移す自信が必要だ。

▽大胆な夢を
 今から、米国は大志により力づけられるだろう。不安によって重荷を背負わされることはない。未来に鼓舞されるだろう。過去の失敗に縛られることはない。構想に導かれているのであって、疑念によって視界を失うことはない。

 全ての市民に対し、米国精神の再生を受け入れるよう求める。全ての連邦議会議員に、私と共に米国のために大きく大胆な夢を持つようにお願いしたい。今晩の演説を見ている皆さんには、この機会を生かすようお願いしたい。自分自身を信じてほしい。未来を信じてほしい。そしてもう一度、米国を信じてほしい。

 ありがとう。皆さんに神のご加護があるように。米国に神のご加護があるように。(共同)  
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