やまがた観光復興元年

第4部・変わる情報発信[4] 大手サイト・旅行誌との連携

2014年04月22日
 若者はインターネットで、シニアらには紙媒体で―。鶴岡市は、食と観光の口コミサイト「ぐるたび」と旅行情報誌「るるぶ」と提携した情報発信を同時に展開している。それぞれの世代に情報を届ける最適な媒体として選び、両立させている。大手と組んだのは、ノウハウを蓄積し、利用者の多いサイト、情報誌をつくり上げている実績からだ。

鶴岡市は「ぐるたび」と連携し、街歩きをしながらスマホで地元の「うまい店」を検索できる仕組みを構築した=同市・大宝館前
鶴岡市は「ぐるたび」と連携し、街歩きをしながらスマホで地元の「うまい店」を検索できる仕組みを構築した=同市・大宝館前
 ぐるたびは住民の書き込みが多く「地元のうまいが分かるサイト」として人気を集める。地域との連携は全国約30カ所で行われているが、鶴岡は初の仕掛けが多い。一つ目が、地域ならではの食を提供する店舗を一覧できるようにした点。例えば岩ガキを食べられる店は約50軒、だだちゃ豆は約70軒が並ぶ。月山筍(だけ)、民田ナスなどの提供店も。「ありそうでなかった情報」(ぐるたび担当者)で、市内の飲食店数百軒を回り、使用食材を確認することで紹介を可能にした。

 さらに、イタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」の奥田政行オーナーシェフら「鶴岡ふるさと観光大使」がお薦めの店や土産物も掲載している。

 画面が小さいスマートフォン対応サイトも全国で初めて整備した。スマホに内蔵された衛星利用測位システム(GPS)を活用し、「ここから一番近い、だだちゃ豆を食べられる店」も簡単に調べられる。

 鶴岡ぐるたび立ち上げまでの事業費は市単独で約350万円。今月上旬に本格運用を始めたばかりで、まだ掲載情報は限定的だ。「地元会員を増やし、口コミを充実させるのが次のステップ」と剣持健志市観光物産課専門員(44)。本当に「使える」情報源になるかは、これからだ。

間もなく最盛期を迎える孟宗。鶴岡市はウェブと紙媒体双方を活用し、食や海、精神文化などの情報発信に取り組む=鶴岡市湯田川温泉・つかさや
間もなく最盛期を迎える孟宗。鶴岡市はウェブと紙媒体双方を活用し、食や海、精神文化などの情報発信に取り組む=鶴岡市湯田川温泉・つかさや
 「るるぶ特別編集 鶴岡」は今月上旬に発行された。隣県や県内での無料配布用の冊子だ。発行部数国内トップクラスの旅行情報誌「るるぶ」。そのネームバリューに加え、観光客のニーズを捉えた内容が高い評価を受けている。「読者層をつかんでいることと、編集のうまさこそが『るるぶ』を選んだ理由」。発行事業を提案した荘内銀行(鶴岡市)の担当者は言う。

 特別編集版の発行は、全国的に行われているが、県内市町村では初めてだった。鶴岡市と荘内銀行、出版元のJTBパブリッシングなどが企画・立案を手掛け、鶴岡食文化創造都市推進協議会が5万部を発行した。事業費は800万円で、市と荘内銀行が各200万円を、地元飲食店、宿泊施設など80社・団体が残る400万円を負担した。

■DC合わせ発行
 6~9月に県内で開催されるデスティネーションキャンペーン(DC)に合わせた発行で、ターゲットを絞り込んで編集した。限られた予算で誘客に結び付きやすい層へ効果的にPRするためだ。狙った世代は、夏に海水浴に行く30~40代のファミリーと、旅行客の中心になっている60代前後のシニア層。冊子の両面を表紙にし、一方は「海」、もう一方は「山」(精神文化・巡礼)をテーマに、どちらからでも読み始められるつくりだ。海は主にファミリー、山と精神文化はシニア層向け。幅広い層に受ける豊富な魚介類や在来作物など食の魅力は随所に散りばめた。

 また「夏は県外宿泊者の割合が増える」との旅館関係者からの声を受け、エリアは宮城、福島、秋田、新潟の隣県と県内の内陸をターゲットに設定した。隣県や県内の観光施設、荘内銀行とJTB東北の店舗などで配布する。このほか、駅などにも置けるよう調整中だ。

■完成度には自信
 市政策企画課食文化推進室の阿部知弘専門員(45)は「市を挙げてこうした冊子を制作したのは初めて。内容もこれまでにない完成度で、効果的に庄内の魅力を伝えられる」と語った。

 ウェブを活用した観光情報発信が充実する中、紙媒体のニーズも根強い。高齢者らパソコンやスマートフォンを使わない層に必要とされるほか、観光素材を広域地図に落とし込んで見せる場合などは、大きく広げられる紙媒体の方が適しているからだ。ただ、その手法は変わりつつある。鶴岡市のように行政や団体が大手旅行情報誌と連携するケースが増えている。
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