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山形中央高出の坂本、一戸が2位 全日本距離別Sスケート

2017年10月21日 13:09
 スピードスケートのワールドカップ(W杯)代表選考会を兼ねた全日本距離別選手権は20日、長野市のエムウエーブで開幕した。本県関係では男子500メートルの坂本永吉(みどりクリニック・山形中央高出)が35秒01で、同5000メートルの一戸誠太郎(信州大・同)が6分30秒69で、それぞれ準優勝した。

 男子500メートルでバンクーバー五輪銅メダルの加藤条治(博慈会・同)は35秒10で4位。中尾光杜(県体協)は11位、森永一帆(山形市体協)は19位だった。同5000メートルで2連覇が懸かっていたウイリアムソン師円(日本電産サンキョー・同)は7位だった。

高木美が国内最高記録更新―女子1500
 女子1500メートルは高木美帆(日体大)が国内最高記録を更新する1分55秒44で制した。鈴木杏菜(山形中央高)は16位、ウィリアムソン・レミ(同)は18位だった。

〈男子5000メートル〉自己ベストに迫るタイムで準優勝し、晴れやかな表情を見せる一戸誠太郎(信州大・山形中央高出)
〈男子5000メートル〉自己ベストに迫るタイムで準優勝し、晴れやかな表情を見せる一戸誠太郎(信州大・山形中央高出)
【スポット】我慢比べ、強かった―男子5000
 男子5000メートル。6分半にわたる我慢比べで、一戸誠太郎(信州大・山形中央高出)は強かった。400メートルのラップは30秒~31秒台を安定して刻み、終盤もペースダウンを懸命に抑えた。「技術と体力がいい形で組み合わさってきた。手応えはある」と、高く自己評価。国内中長距離のトップ争いに割って入った瞬間だった。

 高校から非凡なスケーターだったが、近年は同じ高校出身でソチ五輪を経験したウイリアムソン師円(日本電産サンキョー)の陰に隠れがちだった。昨季、信州大で培ってきた技術が、冬季アジア大会のメダル2という結果につながった。今季は新たにナショナルチームの一員となり、ウイリアムソンらトップ級と競い合う。「女子も男子を食うぐらいの勢いがある」(一戸)。精鋭集団に刺激を受ける日々は、一戸の心身を一段上のレベルに引き上げた。

 この日、後半の強さを支えたのは、ナショナルチームの練習で「ここ数年になく上がった」と話す持久力だ。「残り3周の滑りが課題だったが、それが武器になってきた」「自分の力を過小評価していた」。滑らかに続く言葉に強固な自信がうかがえた。

 団体追い抜きのメンバー入りにも意欲を見せ「いいアピールができたと思う」。W杯前半戦の代表入り、そして来年2月の平昌五輪へ、確かな一歩を踏み出した。

〈男子500メートル〉スピードに乗って最初のコーナーに入る坂本永吉(みどりクリニック・山形中央高出)=長野市・エムウエーブ
〈男子500メートル〉スピードに乗って最初のコーナーに入る坂本永吉(みどりクリニック・山形中央高出)=長野市・エムウエーブ
【クローズアップ】大舞台で自己ベスト―男子500
 小さめのガッツポーズとともに白い歯がこぼれた。男子500メートルの坂本永吉(みどりクリニック・山形中央高出)は大舞台で自己ベストの35秒01で滑り抜け、堂々の準優勝。「34秒台が目標だったので少し悔しい」と話す表情からは、充実感が見て取れた。

 最初の100メートルは9秒台中盤の速さで、狙い通りに貯金をつくった。最初のコーナーでは今季重点的に強化を図っているというテクニックを見せ、インスタートの選手を追って滑らかに伸びた。一方、最後のコーナーでは「転びそうなバランス。褒めるところが一つもない」と課題を痛感。それでもタイムは2年前の自己ベストを0秒31縮め、確かな地力をアピールした。

 昨季は全日本距離別選手権で4位に入り、W杯にも出場したものの、理学療法士の資格取得など学業を優先した期間もあった。社会人になり、今まで以上に競技に注力できている今季は「昨季の分も」と意気軒高だ。

 500メートルの五輪代表争いは現時点で本命不在。W杯前半戦のメンバー入りをほぼ確実にした坂本だが「きょうだけ良かったのかもしれない」と慢心はない。「かつて世界で強かった日本短距離を復活させられるように頑張る」。22歳の胸には大きな野心がある。

〈男子500メートル〉4位に入った加藤条治(博慈会・山形中央高出)
〈男子500メートル〉4位に入った加藤条治(博慈会・山形中央高出)
ぶぜん、条治4位「中途半端にタイムが出た」
 「中途半端にタイムが出た」。男子500メートル4位の加藤条治(博慈会・山形中央高出)は想定外に良かったタイムと結果を素直に喜べなかった。W杯代表選出の可能性が高まった半面、年末の平昌五輪代表選考会に全ての照準を合わせるつもりだったベテランは困惑を隠さなかった。

 抱える膝の痛みから、スピードを上げた状態の練習はまだ不十分だと自覚している。この日も最終コーナーは「案の定」(加藤)膨らんでしまい、最後の直線も冷静さを欠いたという。それでもタイムは想定より0秒4速い35秒10が出た。加藤からすれば「出てしまった」のかもしれない。

 年末の選考会は「(五輪)代表圏外もあり得る」と厳しい戦いをイメージしている。だからこそ理想の滑りから程遠いはずの今は、W杯出場よりも質の高い練習で技術を底上げする必要があると考えていた。「W杯出場と同時に(技術の)土台づくりをするのはすごくタフなこと。(今大会は)みっともない結果は出さずに済んだけど…」と加藤。「予想よりも体が動いたのは良かった」と懸命に収穫を探したが、最後まで表情は晴れなかった。

師円7位、攻めが裏目―男子5000
 ○…男子5000メートルのウイリアムソン師円(日本電産サンキョー・山形中央高出)は、前半のハイペースが裏目に出て7位に終わった。「国内最高記録が出るか、W杯代表落ちか。どちらかだと覚悟していた」とさばさばと話した。

 途中まで400メートルのラップは29秒台。海外勢の強さを身をもって知るだけに「あのくらいじゃないと話にならない」と大事な舞台で攻めの滑りを選択した。「気持ちがはやり過ぎた」と終盤の動きは鈍ったが、“世界基準”への挑戦に収穫もあった様子。「今後は無駄な力を使わずに29秒台を保ちたい」と視線を上げた。

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