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西郷どんが結ぶ縁、銅像モデルの謎追う 東北文教大・渋谷さんら

2018年01月12日 13:50
 NHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」の放送を機に、主人公の西郷隆盛に注目が集まっている。旧庄内藩士が隆盛の教えをまとめた冊子「南洲翁遺訓」を残すなど、本県ともつながりがあるが、鹿児島市中心部に立つ銅像が取り持つ縁については広く知られていない面もある。東北文教大客員教授で社会科が専門の渋谷光夫さん(70)=山形市東原町4丁目=は、像のモデルとされる中山町出身の石沢宏太郎の孫らと鹿児島市を訪れ、制作にまつわる“秘密”を探った。

石沢宏太郎と西郷隆治がモデルとされる、鹿児島市内にある西郷隆盛像
石沢宏太郎と西郷隆治がモデルとされる、鹿児島市内にある西郷隆盛像
 像を手掛けたのは鹿児島市出身の彫刻家・安藤照。南洲神社奉賛会が没後50周年記念事業として安藤に制作を依頼し、1937(昭和12)年に完成した。モデルについて、本県では昭和初期に県議を務めた石沢、鹿児島では隆盛の孫の隆治とされていた。

 渋谷さんは石沢の孫の文朗さん(71)=仙台市青葉区=と高校の同級生で交流があり、「像のモデルが2人と聞いて不思議に思っていた」と振り返る。今年で明治150年を迎えることもあり、渋谷さんと文朗さんは他の友人と共に昨年11月、鹿児島市を訪れ、地元テレビ局などに像のいわれを聞いた。

 渋谷さんや同市の西郷南洲顕彰館によると、隆治は、隆盛と2人目の妻・愛加那(あいかな)との間に生まれた菊次郎(後の第2代京都市長)の息子。

 隆盛は写真嫌いだったため、実際の容姿についての史料がほとんど残っていないという。安藤はモデル探しに苦労し、近親者から話を聞くなどしてイメージ作りに奔走。数年後、偶然アトリエを訪れた石沢の体形に一目ぼれし、モデルを頼んだとされる。

安藤照のアトリエで西郷像のモデルを務める石沢宏太郎
安藤照のアトリエで西郷像のモデルを務める石沢宏太郎
 安藤がモデルについて詳しく話すことは生涯なかったが、渋谷さんや鹿児島県歴史資料センター黎明館によると、地元テレビ局が30年ほど前に石沢と隆治の写真を使って像を鑑定した。その結果、顔は隆治、体形は石沢に近いことが判明。2人の特徴を取り入れていたことが分かった。同館の切原勇人主任学芸専門員は「彫刻の世界では一つの作品に複数のモデルを用意することはよくある。隆治は隆盛に似ていたが小柄だったため、石沢の体形を参考にしたのでは」と推察する。

 渋谷さんは「(安藤が)石沢について話すことがなかったことを考えれば、隆治をモデルとしたことも黙っていたのだと思う」とし、文朗さんは「像の立ち姿は祖父を思い出させる。像制作の逸話を通して両県の交流がさらに活発になれば」と話す。山形と鹿児島、1500キロ以上離れた両県のつながりを示す像は、今もなお隆盛の在りし日の姿を伝えるとともに街のシンボルとして親しまれている。

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