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イカ漁場の水揚げ開始、願う安全 滑り出し低調、北の船出る不安なお

2018年05月24日 11:18
今季初水揚げされた生スルメイカ。初日は昨年の3分の1の数だった=酒田市・酒田港
今季初水揚げされた生スルメイカ。初日は昨年の3分の1の数だった=酒田市・酒田港
 庄内の今季のイカ釣り漁が23日始まった。遠洋に出漁する主力の中型船団は来月の出航に向けて準備を本格化させている。北朝鮮船の違法操業の影響もあり、昨季の水揚げ高は前季から2割減少。今季も日本海沖の好漁場・大和堆(やまとたい)では既に2隻の北朝鮮船が確認され、海上の安全が不透明な中での船出となる。漁師の一人は「大漁を狙って結果を出したい」と祈るように語った。

 23日早朝、酒田港では次々と生スルメイカが水揚げされた。イカの北上が遅れており、前季より約2週間ずれ込み、県漁業協同組合全体の水揚げ量も3分の1と、担当者は低調な滑り出しに困り顔だ。

 同じころ、13隻の中型船団の一翼を担う第85若潮丸が、宮城県気仙沼市での整備を終えて酒田港に帰ってきた。日本一の漁獲高を誇る“稼ぎ頭”だ。本間健船長(62)=酒田市=は、昨季のミサイル発射や木造船の違法操業など北朝鮮による“妨害”ともいえる状況を思いだしていた。「通常年明けまでの漁も12月で切り上げた。自分の船の漁獲高は前季並みを維持したが心労が多かった」。今季も全国的に不漁傾向で、まだ小さいイカを北朝鮮の網で捕られたことが影響しているのではと推測する。

 昨季、海上保安庁は7月中旬から12月中旬までに北朝鮮の漁船1900隻超に退去警告や放水などを実施した。ただ、最初の放水が、日本船団が大和堆を離れた後だったため、対応の遅れが指摘された。本県のイカ釣り船団も、網で漁をする木造船との接触事故を避けようと、7月初めに大和堆を離れざるを得なかった経緯がある。これらの影響もあり、本県では生・冷凍合わせたイカの総水揚げ高は約13億6千万円にとどまり、前季を約3億5千万円下回った。

 漁師や県漁協は今年初めから水産庁に取り締まりの強化を要望し続けてきた。同庁は5月から大和堆周辺の取締船を増やすなど重点配備を2カ月程度前倒しした。しかし、北朝鮮船の有無や取り締まり結果について明らかにしていない。

 海保の情報では、少なくとも今月だけで2隻の北朝鮮の小型船が確認され、警告して退去させたといわれるが、やはり国から漁協や漁師への報告はない。巡視船の出航に関しては「いつ行くかは言えないが、今年は漁期前から出す」とするものの、県漁協幹部は「安全が確保されないまま出漁するのか」と戸惑いの色を隠せない。

 昨季は冬場に遺体や船が漂着するなど沿岸部にも影響が広がった。朝鮮半島の情勢は依然予断を許さない。「イカは漁獲高全体の約半分を占める。今季も水揚げが減れば倒産する会社も出てくるかもしれない」と県漁協幹部。不安を抱えたまま漁船を送り出す日々が続きそうだ。

日本一のイカ漁獲高を誇る第85若潮丸の本間健船長。今季の出航を控え、不安げに海を見詰めていた=酒田市・酒田港
日本一のイカ漁獲高を誇る第85若潮丸の本間健船長。今季の出航を控え、不安げに海を見詰めていた=酒田市・酒田港

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