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水難救助に頼れる味方、無線操縦の救命艇開発 飯豊・山形大ベンチャー企業

2018年06月21日 14:01
飯豊電池研究所が実用化した電動救命艇(右)。人がつかまるゴムボートなどを引いて力強く航行する=長井市
飯豊電池研究所が実用化した電動救命艇(右)。人がつかまるゴムボートなどを引いて力強く航行する=長井市
 高性能リチウムイオン電池開発に取り組む山形大発のベンチャー企業「飯豊電池研究所」(飯豊町、長谷川貴一社長)が、無線操縦式の電動救命艇を開発、実用化した。いわば「水上のドローン(小型無人機)」で、長年、救命艇の研究を続けてきた元消防職員の同社顧問が設計を手掛けた。「より迅速な水難救助を」との思いが詰まっている。

 充電済みの本体とリモコンがあれば水際から即座に発進できるのが特長だ。エンジン式より加速力や操作性が高い。全長117センチ、全幅45センチ、全高23センチで重さは8.5キロ。素材は主に強化プラスチックで、波風のある海、川、沼でもバランスを保って航行する。

 水面を最速約50キロで移動し、急旋回や後退もこなす。数人がつかまったゴムボートなどをえい航するパワーを持つ。目視できる数百メートルの範囲で無線操作が可能。がれきが浮く水面の航行も想定し、スクリューを保護する構造になっている。光学カメラを取り付ければ、水上と水中の映像をリアルタイムでタブレット端末などで受信し、外から見えない水路も進める。

 中心になって開発を手掛けたのは、元西置賜行政組合消防本部職員の情野智一さん(61)=飯豊町萩生。1998年から余暇を利用し救命艇作りを開始した。釣具店を訪れたり新潟県の造船会社と情報交換したりして研究を進め、エンジン艇を全国消防技術者会議で発表したこともある。

 電動化に向けては技術を持つ山形大と連携しながら研究を継続。昨年3月に退職した後は同社の技術顧問として沼やダム湖で実証実験を重ねた。同社が持つノウハウを生かし、動力となる電池とモーターの効率の良い組み合わせを追究。今春、実用化にこぎ着けた。情野さんは「救助本隊が到着するまでの間、水難者にゴムボートなどにつかまってもらい、えい航が可能。カメラを使えば普段の点検やオイルフェンス設置にも活用できる」と実際の運用を思い描く。

 同社は無線操縦式電動救命艇「アクアアロー」として商標登録済み。既に大手テーマパークや他県の消防本部から引き合いがあるという。販売価格は標準装備で150万円程度を想定(追加装備により変動)。山形銀行から出向している長谷川社長は「可能な限り県内企業製品を使って作り、山形のものづくりをアピールしたい」と語る。問い合わせは同社0238(87)1533。

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