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名品「緑の椅子」現代に復刻 天童木工が協力 

2018年06月24日 12:52
天童木工の技術協力で復刻された「緑の椅子」=天童木工提供
天童木工の技術協力で復刻された「緑の椅子」=天童木工提供
 桂離宮(かつらりきゅう)を日本の美の象徴としてたたえたことで知られるドイツ人建築家ブルーノ・タウト(1880~1938年)がデザインし、群馬県高崎市の少林山達磨寺(広瀬正史住職)が所有している「緑の椅子」が復刻された。脚部が細く、強度の面で完全な再現は難しいと考えられていたが、天童木工(天童市、加藤昌宏社長)が持つ、部分によって厚みを変えた「不等厚成形合板」の技術により、名品が現代によみがえった。

 タウトはナチス政権に社会主義者と見なされ亡命を余儀なくされ、1933(昭和8)年に日本に逃れた。約3年半の滞在のうち、34年8月から36年10月まで少林山達磨寺の境内にある洗心亭で暮らした。その間、多くの家具や工芸品をデザインし、ドイツ工作連盟の美学を伝えた。「緑の椅子」はその過程で作られた試作品という。

 椅子は木材を削りだした、細く反った後ろ脚が特徴。タウト自身の強度実験で、背もたれと脚の接合点付近に折れた跡が残っている。広瀬住職の妻みちさん(58)は長年、復刻を模索してきたがうまくいかず、2016年に工学院大の鈴木敏彦教授に相談した。

ブルーノ・タウトがデザインしたオリジナル
ブルーノ・タウトがデザインしたオリジナル
 寺と鈴木教授らは「緑の椅子リプロダクト研究会」を組織し、3次元スキャンによる立体データを基に、構造の検証と図面化、量産化の検討を進めた。研究会はエレガントなデザインと強度を両立できる技術を持った天童木工に協力を依頼し、天童市の工場で100脚が作られた。

 オリジナルのサイズは幅42.3センチ、奥行き43.0センチ、高さ80.8センチ、重さ約2.2キロ。再現された椅子は幅43.5センチ、奥行き43.8センチ、高さ81.3センチ、重さ約4.8キロ。みちさんは「全体的な造形や脚の曲線など、よりオリジナルに忠実に再現してもらった。天童木工の力がなければできなかったと考えており、大変満足、感謝している」と語った。

 少林山達磨寺は「緑の椅子」の販売を検討している。時期や価格、カラーバリエーションは未定。

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