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【高校野球】羽黒「苦い」大舞台 奈良大付に1-4で敗れる

2018年08月11日 11:23
〈奈良大付-羽黒〉5回裏羽黒2死二塁、1番鈴木倫が適時打を放ち1-3とする=甲子園
〈奈良大付-羽黒〉5回裏羽黒2死二塁、1番鈴木倫が適時打を放ち1-3とする=甲子園
 第100回全国高校野球選手権大会第6日は10日、甲子園球場で1回戦3試合が行われた。本県代表の羽黒は奈良大付(奈良)と対戦し、1―4で敗れた。

 羽黒は初回の先頭打者に二塁打を許し、内野の送球エラーの間に先制を許した。五回には2点本塁打で追加点を奪われた。直後に2死二塁の好機をつくり、1番鈴木倫が中前安打を放ち、1点を返した。その後も外野手の好捕などで食らい付いて反撃を待ったが、最終回1死一、二塁の得点機も相手投手に抑えられた。

 このほか、5年ぶり出場の日大三(西東京)は先発全員安打を記録し、春夏通じて初出場の折尾愛真(北福岡)に16―3で大勝した。

 3年連続出場の木更津総合(東千葉)は、3年ぶり出場の敦賀気比(福井)に10―1で快勝した。

【評】羽黒は奈良大付の打線に本塁打を含む12安打を浴びて打ち崩された。初回に先制を許し、その後立て直して得点機をつくったものの一打が出ず、反撃は1点にとどまった。投手陣も粘り強く投げたが、5回に許した2点本塁打で主導権を奪われた。

先発で登板し、粘りの投球を見せた羽黒の2年生エース篠田怜汰
先発で登板し、粘りの投球を見せた羽黒の2年生エース篠田怜汰
【焦点】先制許し、食らい付くも及ばず
 大舞台での重圧か。堅守の羽黒は初回、失策で先制を許す思わぬ展開。終盤の粘りで山形大会を勝ち上がったチームは、守備を立て直し、投手も粘投して食らい付いたが、一度渡した主導権は取り戻せなかった。小泉泰典監督は「全国の力にはまだまだ及ばなかった」と敗戦を受け止めた。

 山形大会で準決勝、決勝とサヨナラ勝ちを収めた羽黒。甲子園でも序盤の失点を抑え、後半勝負を狙った。ともに甲子園の経験が少ないチーム。先にミスをしたのは羽黒だった。先発した2年生の篠田怜汰が先頭打者に二塁打を浴び、続く打者のバント処理で内野手の一塁送球がそれた。山形大会で失策1のチームが立ち上がりで隙を見せた。

 その後、左翼手塩崎一朗のダイビングキャッチ、中堅手中島翔は大飛球の後ろ向きキャッチと好返球、さらにピンチでの併殺を決めた内野手と、面目躍如の好守備を見せ、潮目は変わるかにみえた。しかし、縮まらなかった相手との差は「打」だった。打線は五回に1番鈴木倫の適時打で1点を返すにとどまった。

 「(相手は)速い球を力強く引っ張る。これが甲子園レベルだと感じた」と鈴木。山形大会3本塁打の5番藤沼龍之介も「甘く入ると考えていた初球を狙ったが、捕らえきれなかった」と悔しさをにじませた。

 小泉監督は「持てる力を出し切ってくれた」と振り返る。15年ぶりの出場で味わったのは「苦さ」だったかもしれないが、選手たちの奮闘は随所で輝いていた。果たせなかった「夏1勝」の夢は、後輩たちがしっかりと受け継いだ。

【スポット】先発振り続けた右腕
 夏の甲子園初勝利を懸けたマウンドで、先発した篠田怜汰は右腕を懸命に振り続けた。九回途中4失点と粘投したものの、悲願はかなわず。2年生エースは「勝てずに悔しい。3年生に申し訳ない」と声を絞り出した。

 山形大会での活躍を評価され、甲子園から背番号「1」を託された。この日も「投手陣の中で一番」(小泉泰典監督)という調子の良さから、山形大会ではなかった先発でマウンドに立った。直球は自己最速の145キロに迫る144キロをマークしたものの、相手打線は自信を持って投げ込んだストレートにも対応してきた。篠田は「終盤は直球を狙われていた。逃さずに打ち返す相手が一枚上だった」と実力を認めた。

 試合には敗れたが、六回には3連続三振の見せ場をつくり、直球のキレやスタミナ面では手応えもつかんだ。甲子園の土は持ち帰らない。「来年再び戻って来る」。前を見て言い切った。

【振り返って】大きかった打力の差
 羽黒が1回戦で敗れ、県勢は3年連続の初戦敗退となった。最後まで粘りを見せたものの、対戦相手の奈良大付とは打力の差が大きかった。

 羽黒は、ともに山形大会で3本塁打の4番竹内大貴と5番藤沼龍之介、打率4割超の1番鈴木倫が打線の中心だった。打撃は春の県大会を機に向上し、勝負強さも発揮して夏の山形大会を勝ち抜いた。しかし、甲子園で見えたのは打球の質の差だ。出場チームで最高打率を誇る奈良大付は、速球でも力強く引っ張り、捕らえきれなかったファウル性の打球にも威力があった。中押しとなった五回の本塁打でも甘い球を見逃さない目を持っていた。羽黒打線は変化球でタイミングを外され、好機の一打が出なかった。

 一方、中盤以降の堅守には羽黒らしさが随所に見られた。主将の捕手秋保優大を軸にポジション取り、内外野の捕球や集中力には光るものがあった。先発した2年生右腕の篠田怜汰は、球威のある直球で強力打線に立ち向かった。投手「3本柱」の金子摩周と佐藤幸弥が控えていたのは、心強かったに違いない。

 今回のチームは1、2年生が半数を占め、今後の可能性は広がっている。全国との差をしっかりと分析し、遠ざかっている県勢の白星に向け努力を続けてほしい。
(報道部・相原健佑)

厳しい状況、よくやってくれた
 羽黒・小泉泰典監督の話 厳しい状況で選手はよくやってくれた。(相手投手には)低めの球で三振を取られ、最後まで捕まえることができなかった。(先発の篠田は)攻撃的なチームに対し、十分良さを発揮してくれた。またこの舞台で勝てる力を付けたい。

選手ひと言
 ▽篠田怜汰 チームを勝たせられず申し訳ない。悔しさは来夏の甲子園で晴らす。

 ▽秋保優大 1、2年時は悔しいことばかりだったので、絶対に勝ちたかった。

 ▽藤沼龍之介 この舞台で仲間と野球ができたことに感謝の気持ちしかない。

 ▽竹内大貴 おのおのが良いプレーを見せた。特に2年生の活躍をうれしく思う。

 ▽鈴木倫 自分たち2年生もレギュラーだったので、新チームを引っ張りたい。

 ▽日下部由伸 少しの差だった。140キロを上回る球を打てるようになりたい。

 ▽塩崎一朗 後輩の篠田怜汰の頑張りに応えようと、必死に守った。

 ▽中島翔 負けた悔しさと経験を生かし、来夏にまた甲子園に来たい。

 ▽渡部大地 好機で自分が打っていれば違う展開になったかもしれない。悔しい。

 ▽金子摩周 甲子園は歓声がすごかったが、落ち着いて投げることができた。

 ▽佐藤幸弥 甲子園に立つ姿を家族に見せたかった。悔しいが、後輩に期待したい。

 ▽山田梨陸 この悔しさを乗り越え、来年こそは必ず初戦を突破したい。

 ▽佐々木碧 悔いはあるが、しっかりバットを振りきれた。後輩たちに感謝したい。

 ▽浅石幹 何とか一勝して校歌を歌いたかった。練習を重ねて再チャレンジしたい。

 ▽今岡幸大 先輩たちに大舞台を経験させてもらった。今後の成長の糧にしたい。

 ▽矢部和大 粘り強い試合ができた。後輩には思いを受け継いで頑張ってほしい。

 ▽北原亘 悔しさが残った。来年に向けチームに貢献できる選手へと成長したい。

 ▽本田旭 先輩への感謝でいっぱい。3年生が見せた気迫を来年の勝利につなげる。

[特集]高校野球

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