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山形市~迫る中核市移行(下) 先行都市から課題学ぶ

2018年08月17日 12:40
野田聖子総務相(右)に中核市移行の届け出書を渡す佐藤孝弘山形市長。人材確保などの課題解決を図り、来年4月の移行を迎える=7日、東京・霞が関
野田聖子総務相(右)に中核市移行の届け出書を渡す佐藤孝弘山形市長。人材確保などの課題解決を図り、来年4月の移行を迎える=7日、東京・霞が関
 東北地方の県庁所在地で、中核市となるのは山形市が最後となる。佐藤孝弘市長は「ラストランナー」と表現する。全国の移行組でも後発となり、先行自治体の課題を参考にしながら準備を進めてきた。

 先例の一つとなる福島市は今年4月に中核市となった。郡山市、いわき市に次ぐ福島県内3番目だ。福島市の担当者は「2市が参考になったのは間違いない」と語る。だが本来は移行を17年4月と見定めていた。議会に拙速さを指摘されて1年延長。担当者は「市民への広報をもっと進める必要性があった」と振り返る。

 山形市の住民説明会は14回に達し、今年に入ると5カ所で出前講座も開いた。佐藤市長は会合など事あるごとに中核市移行を話題にする。それでも周知が足りているとは言えず、中核市推進課は「市民の理解が何より重要」として今後も出前講座などによるPRに力を入れる考えだ。

 市民のメリットにつながる独自サービスは、少しずつ形になってきた。県から移譲を受ける動物の愛護や管理を行う「市動物愛護センター(仮称)」の新設はその一つ。犬や猫の殺処分ゼロを目指す拠点となり、来年2月の完成を目指して建設工事が進む。

 みしま町内会地域猫活動の代表相橋恭子さん(68)は「何かの時に相談できる一つの核ができる」と歓迎しつつ、「センターの存在意義を説明し、みんなの話をしっかり聞いていかないと運営はうまくいかない。これからが大切」と市民との密な連携を市に注文する。福祉サービスの向上、地域教材の使用、屋外広告物の規制など他に練られている中核市移行に伴う施策も、市民の建設的な意見が仕上げに欠かせない。

 新たな業務を担う人員の確保は道半ばだ。特に食肉検査などに当たる獣医師不足は全国的な問題で、充足への努力は続く。既に新卒者を含む9人を確保したが、必要数より9人少ない。県の獣医師の協力、連携がなければ食の安全、畜産ブランドの維持は難しくなる。

 全国的には職員不足などを理由に移行作業がストップしたところもある。大阪府岸和田市は当初、今年4月に中核市移行を予定した。しかし、組織体制整備の厳しさに加え、人口減少、財政状況の悪化などを理由に16年末に移行見送りを決めた。今なお移行の判断に揺れている。山形市にとっても人材確保は重要な課題の一つと言える。

 中核市移行について、佐藤市長は「市の抱える諸課題の処方として合っている」と捉える。その上で、「今まで以上に何ができるか、できそうかを考え、工夫する余地が大きくなる。職員のクリエーティブな意識、幅広い発想力が求められる」と語る。次代を切り開き、新たな県都の姿を市民に示すことができるか。実効性ある施策と、それをやり遂げる強い姿勢が必要になる。(報道部・進藤和美)

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