社説

民進党代表選告示 原点に戻り徹底議論を

 蓮舫代表の後継を決める民進党の代表選が告示された。前原誠司元外相(55)と枝野幸男元官房長官(53)が立候補、9月1日の臨時党大会での投開票に向けて選挙戦に入った。

 新代表を巡っては世代交代による若手登場の待望論もあったが、党内で大きな広がりにはならず、結局はベテラン2人による一騎打ちとなった。

 国政選挙での野党共闘や憲法改正への対応、経済やエネルギー政策が主な争点になるが、安倍政権に対抗する野党第1党として党の将来像をどう描くのかが問われている。代表選の結果は今後の野党再編に影響する可能性もある。

 民進党は支持率の低迷と相まって離党ドミノの阻止という課題に直面している。惨敗を喫した東京都議選に関する党の総括では、告示までに計16人の現職や元職、新人候補が党を離れた。「遠心力」が働き続けている危機的な状況を立て直せるのか、党の消長がかかっている。

 来年末の任期満了を待たない早期の衆院解散も想定される中で、論戦でまず焦点となるのは次期衆院選での共産党との選挙協力に対するスタンスだ。

 21日の立候補届け出後の記者会見で、前原氏は「衆院選は政権選択で、理念や政策が合わないところと協力するのはおかしい」と述べ、従来の路線を見直す考えを明確にした。一方、幹事長として昨年夏の参院選の改選1人区で共産党との協力に尽力した枝野氏は「一人でも多く当選させるのが大きな責任」として関係を維持する姿勢を示した。

 また憲法改正を巡っては、前原氏が「安倍政権の下での憲法改正は反対だというのは国民の理解を得られない。政権を目指す政党として国の基である憲法の議論はしっかりと行っていく」と党内議論を進めていく方針を明らかにしたのに対して、枝野氏は「民主主義を強化し、人権保障をより高め、国民の生活、経済をより良くする」のが改憲の目的とし、党内議論の結果、その必要性はなかったと述べた。

 両氏は、ともに社会保障の充実を強調するが、前原氏は消費税増税に前向きで、枝野氏は慎重姿勢。原発ゼロなどのエネルギー政策でも違いがある。

 両氏は1993年衆院選で日本新党から初当選を果たした同期だ。その後も民主の風、新党さきがけなど同じ会派や政党を経て、民進党の前身である民主党の結党に参加、時期は異なるが、それぞれ代表、幹事長という党要職を務めた。安全保障や憲法の論客として知られ、今回の代表選の勝敗は予断を許さない。

 民進党を巡っては国民の間に、大きな期待を集めて登場した先の民主党政権時代への失望感がまだ残っている。

 今回の代表選では、互いに論客らしく、それぞれの主張のどこが決定的に違うのか、それは何に由来するのかを、原点に戻ってとことん突き詰めるべきではないか。将来の分裂を恐れて議論を中途半端に終わらせてはならない。

 徹底議論を行った上で、勝った方が新代表として、浮かび上がった相違点を乗り越えながら党を運営していくべきだ。それが遠回りのように見えても確実な再建への道となるのではないか。

(2017/08/22付)
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