社説

衆院選後の野党勢力 与党と緊張関係不可欠

 第48回衆院選は、自民、公明両党で3分の2(310)の議席を確保した。自民党は国会運営を主導できる絶対安定多数(261)を上回る議席を単独で獲得して大勝した。この結果からは「安倍1強」政治の行方が気に掛かる。

 安倍政権との対立軸を鮮明にした立憲民主党は結党後20日間で、公示前議席を3倍増させ、野党第1党になる躍進を果たした。これによって理念、政策的に、自民党を軸とする勢力との対立構図が生まれたと見ることもできよう。

 民主主義が機能するには与野党間の緊張関係が欠かせない。なければ、民主政治は空洞化し、選挙で勝った勢力が何でもできるという状況に陥りかねない。それはここ数年の安倍政権の足取りを振り返ると、不安材料として浮かび上がる。

 立憲民主党はこの躍進にいっときも安住することなく、過去の反省に立って自らを軸に安倍政権に対抗しうる勢力を築き上げなければならない。

 衆院選の結果を受けて安倍晋三首相は23日の記者会見で「わが党が3回連続で過半数の議席をいただいたのはほぼ半世紀ぶり、同じ総裁の下で3回続けて勝利を得たのは、結党以来60年余りの歴史の中で初めてのことだ」と自賛した。今後、党公約に沿って、金融緩和を柱とするアベノミクス政策を維持、加速させ、北朝鮮に関しては圧力を強める構えだ。

 自民党が政権に復帰した2012年衆院選以降、野党は分立することで結果的に安倍1強を助長してきた。特に分裂前まで第1党だった民進党と、前身である民主党は、代表を何度も代え、ついには党名までも変えるなどの混迷ぶりを国民の前にさらしてしまった。立憲民主党を立ち上げた枝野幸男代表は、民主、民進両党の幹事長を務めており、その責任の一端があると言わざるを得ない。

 今回、浮き彫りになった対立構図は、基本的には衆院選で戦った、与党の自民、公明両党と、野党第1党となった立憲民主党が中心となる。

 憲法改正の発議に必要な3分の2の議席を確保した自民党の安倍総裁と公明党の山口那津男代表は、憲法改正の論議を推し進めるとの方針を盛り込んだ連立合意に署名した。

 安倍政権が進める改憲への賛否という軸を各党に当てはめると、自公両党側には希望の党、日本維新の会が加わることになる。さらに立憲民主党側には共産党や社民党が立つことになる。

 議席数だけで見れば、自公を中心とした「改憲」勢力が約370議席、対する「立憲」勢力は圧倒的な劣勢だ。しかし、公明党は改憲には野党第1党の賛同が必要だとしており、立憲民主党がそのポジションに就いた意味は大きい。

 また、いまだ解明されていない森友、加計学園問題や南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題を抱える「安倍政治」に対する姿勢で見れば、希望の党の内部は複雑だ。現在の安倍政権との連携も辞さない議員と、それには同調できない議員が混在しているからだ。

 希望の党は、11月1日召集が想定される特別国会での首相指名を前に、どのような方針を打ち出すのかが、今後の焦点になる。

(2017/10/24付)
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